2007年06月の日記

首相の品格と資質についての続編。 イギリスでゴードン・ブラウン氏が新首相に選出された。 木曜日の朝日新聞を見て、彼の経歴と人生を知ることができた。 ゴードン・ブラウン、56才。 牧師の子。 11才の時に父の影響を受けて小学生ながら、兄と手作りの新聞を創刊。 地元のスコットランドの港町で、南アフリカのアパルトヘイトの批判や、貧しい子供たちへの義援金の募集をやったという。 

高校生だった16才のときに、ラグビー中に事故で左目を失明。闘病生活をしながらも、成績優秀で飛び級で大学に入る。 その後も、野党だった労働党の政治活動を地道にやってきて、厚みのある支持を得る。 49才で結婚したが、長女を誕生後に病気で亡くし、次男も難病を持って生まれ、今も障害と闘っている。 そのため、週末は次男とともに過ごすことを最優先にしている。

これまで英国の財務大臣として、10年間にわたって好調な経済成長を政策誘導してきた。 トニー・ブレアのような派手さはない。しかし、政治家としても1人の男としても、英国の首相にふさわしい人物だろう。 一説によると、ブレアは常にブラウンの影に怯え、その失脚を策していたが、そうした政争にも打ち勝って手にした首相の座である。 めざすは「公正な社会」。 成長のひずみを正していく姿勢がシンプルに伝わってくる。 英国民は派手さはないが、堅実で誠実な人柄のブラウン氏に未来をゆだねたのである。

それにつけてもとは言いたくないが、インタビューのときのカメラ目線ばかりを気にして、「テリー伊藤」にアドバイスを受けたり、中味のない法案を出しては自分が決断しただのと大げさに話すあの方とはすべてが大違いだ。 とにかくこの国では、生まれた家柄がいいとか、拉致問題で強気の発言をくり返したとか、ルックスが良くて選挙向きだとかだけで、首相を選んでしまう。 これは喜劇を通り越して、国家的な悲劇だ。

まあ、この20年間、日本の首相は竹下さん以降、宇野、海部、宮沢、細川、羽田、村山、橋本、小渕、森、小泉、安倍と来た。 これに対して英国はサッチャー、メージャー、ブレア、ブラウンとなる。 こう並べただけでも、かの国とは首相の品格と資質に大きな差があることがよくわかってもらえるのではなかろうか。 誠に残念だが…。



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(2007.06.29)

会期延長が決まり、参議院選挙の投票日も1週間ずれ込んで来月29日となった。 1週間ずれて各自治体は大変だ。 投開票所の確保や、行事日程の変更、さらには人員の手配など、簡単に出来ないことばかりだ。 とにかく、国政選挙は時間と金がかかる。 その為に、今年早々から内々に総務省などと協議をして、会場をおさえたり準備をするのだ。 しかし総理の一声で全部狂ってしまった。 まあ、表向きは公務員制度の改正だが、本音は逆風逃れということだ。 しかし、1週間ずれて国民が忘れるかもしれないなどと思うところに、品格のなさを感じる。 

そもそもこの年金問題が浮上した時、民主党の菅代表代行の厚生大臣時代に責任があると、得意げに演説をしている姿をテレビで見て、安倍晋三の何たるものかを感じた人は多いのではないか。 支持率の下落はまさに彼の器の問題だと私は思う。 

それにしても、衆議院でも巨大与党は荒っぽいことの連続だ。民主党議員の登院停止処分や、民主党の委員長の解任などを、多数決でドンドンやって来る。 渡部恒三先生によると、自身も自民党の国対委員長当時、予算を通すために一度だけ、強行採決をしたことがあるそうだ。 その時の後味の悪さは今も残っているという。 そしてこんなことも言っていた。 当時自民党の総務会で、本予算を通すためにやむを得ず強行採決するしかないと報告したところ、スッと手を上げて、「国対委員長、予算と民主主議のどちらが大切と思うか」と質問してきた議員がいたという。 渡部国対委員長は、とっさに、「どちらも大切ですが、予算が通らないと国民生活が成り立たないので、いた仕方ない」と答えた。
  
実はこのときスッと手を上げて質したのが、河野洋平現衆議院議長だ。 今国会での与党の強行採決は14回にのぼる。 私も11年国会にいるが、こんなひどい国会は初めてである。 これに対して何ら動かない河野議長は、何を思っているのだろうか。 往時の河野氏には考えられないあり様だ。 まあ、与党の幹部は330議席もあればこういう荒っぽい国会運営をやりたくなるのだろう。 しかしここで、知性や理性を働かせるのが政治家というものだと思うが、逆に今の与党には余裕がない。 会期延長までして大慌てだ。 実に情けない。 そうは言っても、こちらも現状の100議席ちょっとでは多勢に無勢で、どうやっても国民の期待には残念ながら応えられない。 やはり政治を面白くする為にも、民主党は7月に勝たなければならない。

  



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(2007.06.22)

水曜日の夜は横浜でシンポジウムに出席。 相手は日本一手強い、あの原総一郎さん。 そして元同僚議員で、神奈川県知事の松沢成文さんだ。 話題は多岐にわたったが、やはり中心は参議院選挙と年金だった。 田原氏に言わせれば、「ここで勝てなければ民主党は終わり」ということだ。 逆に勝てば、衆議院と違って解散が出来ないぶん、6年間にわたって民主党は参議院で多数を占めることになる。 本当にチャンスだ。 

思い起こせば18年前、平成元年のリクルート消費税選挙だ。 自民党は1人区で2議席しか取れず、大惨敗を喫した。 それから6年間、自民党は参議院で単独過半数を取れず、当時の自民党小沢幹事長は民社党、公明党とのパーシャル連合、さらに政界再編へとつき進んだ。 つまり、参議院で多数を取れなければ政権運営は出来ないので、自然と再編せざるを得なくなるのだ。 たぶん、小沢代表の脳裏にはそのことがあるだろう。 参議院で多数を取ることで、政局の大転換を目指している。
 
衆議院は流動性が高い。 解散すれば議席数は一気に変わる。 今の自公の絶対安定多数の330議席も、解散さえすれば一気に終わる。 もしかしたら100議席以上減らすことになるだろう。 参議院はそこが違う。 何があっても6年間は変えられない。 重みがあるのだ。 

さて、その先の話になるが、もし民主党が勝ったらどうなるか。 田原氏は、安倍氏は47議席を下回ったら辞任すると言明した。 つまり自公で過半数取れない数字である。 私は少し違う。 彼のことだから、強情に辞めないと言い出すのではないかと思う。 自民党の辞めろコールにも耳を貸さずにねばることもあるのではないか。 

では、そのあとどうなるのか。 民主党は、参議院で安倍総理への問責決議案を提出する。 衆議院であれば内閣不信任案ということになるが、参議院では不信任案がない。 そこで、問責決議というのを出す。 この問責決議案は、政治的には不信任案と同じ意味を持つと言われている。 これを、秋の国会で提出して可決。 安倍総理はそれでも辞めずに、衆議院の解散、総選挙に持ち込む可能性もあると私は思っている。 思っているというより、そんな展開を期待しているのだが…。



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       2007年6月18日(月)21:00〜  

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(2007.06.15)

水曜日の夜、民主党のパーティが都内のホテルで開催されたが、5千人もの人たちが来て大盛況だった。 参議院選挙の出陣式のような様相だったが、とにかく党に元気と活気が出てきたことはいいことだ。 特に地方で運動している候補者や、地方議員が燃えているのがいい。 

政党という組織は、選挙に勝たないとダメ。 もう前回の衆議院選挙のような大敗北で、政権が遠のいていくのだけは勘弁してほしい。 何とか勢いのあるうちに第一党となりたいものだ。 テーマは「逆転の夏」。 このキャッチフレーズも、躍動感があっていい。 政局の大転換の夏にすべく、全力投球だ。  

総理はサミットに行っても心ここにあらずだろう。 選挙に勝てそうなリーダーというだけで選ばれた人なのだから、負ければ見捨てられてしまう。 50才前後で政治生命の危機ということにもなる。 参議院で負けたらすべてを失うと思えば、勝つために手段は選ばない。 つまり、衆参ダブル選挙も20%の確率であるかもしれない。 ただし、これは100年前の日本海海戦でのロシアのバルチック艦隊のように、すべてを失うというリスクも負う。 まあ、そんな勝負に打って出てくる度胸はあの人にはないとは思うが、どうだろうか。

国民が求めているのは、単なるパフォーマンスや見せかけの政治家ではない。 本物の改革をやれるリーダーを探しているのだ。 曲がりなりにも、小泉氏は郵政改革をやり遂げた。 それも関係団体を切り、反対議員を切り、本気さをアピールした。 国民は本気でやろうとしている政治家か、ポーズだけの政治家かを嗅ぎ分ける嗅覚をもっている。 安倍氏に人気が集まらないのは、その辺ではないかと思う。 年金も、半年以上事実をわかっていながら放置していて、メディアでとり上げられ支持率が下がってから大慌てでやり出したり、天下りや官製談合の改革も中途半端だし、若いのにエネルギーと突破力を感じないから、国民は赤点をつけているのではなかろうか。 有権者のまなざしは厳しいのだ。





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(2007.06.08)

実は松岡農相とは親しい間柄だった。 付き合いは20年になる。 私がNHKの記者で、彼が林野庁の広報官から衆議院選挙への出馬を決めた頃が、初めての出会いである。 初当選後も彼の所属した派閥を取材したので、夜回りもずいぶん行った。 また、息子さんがNHKの私の後輩だったこともあり、親子ともどもの付き合いとなった。 

縁はさらに続いて、私が高輪宿舎に入居した折に、部屋が隣り合わせで朝に夕に一緒だった。 顔に似合わずシャイなところがあり、乱暴なこともずいぶんやったが、憎めないところもあった。 政局の折々に携帯電話によく連絡してきて、自民党内の状況も教えてくれたりもした。  しかし、役人出身だけに行政と関連業界との呼吸がよくわかっていて、そのことが結果として彼の政治家人生を大きく狂わせてしまった。 
 
それにしても、自殺されるのはかなわない。 何とも今週は気分がすぐれない。 私も農水委員会の理事をやっていたり、地元が一次産業地域なので、仕事の面でも付き合ったが、松岡議員はいつも役所を震えあがらせていた。 自民党の族議員の典型例だった。 会うたびに、「やりすぎはダメだよ」と私は言ったが、勢いがあった松岡氏は一笑に付していた。 政治は一寸先は闇だ。 冥福を祈りたい。

さて、昨夜の攻防は午前2時まで続いた。 私が家に帰って寝たのは、午前3時。 5000万件に及ぶ宙に浮いた年金。 この問題を掘り起こし、去年から訴えつづけてきたのが民主党の長妻議員だ。 東京選出で当選3回。 「さきがけ」にもいたので、私の後輩である。 雑誌記者出身のバイタリティあふれる議員だ。 私もよくチームで一緒に不正追求をしてきたが、今回は本当によくやった。 1人の国会議員が本気で一つの問題に取り組めば、役所の不正をあばき、結果的に国を動かすことが出来るという素晴らしい教訓となった。

それにしても、世論におびえて右往左往している安倍首相に、リーダーの資質を見出せないのは私だけではないと思う。年金政局で男を上げた長妻議員と、男を極端に下げた首相は対照的だ。
 



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(2007.06.01)


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