| 日銀の金利引き上げは、金融政策の健全化への一歩だ。 本当であれば、日本の経済の回復力などを考えて金利2・5%前後が適正だとの学説がある。 しかし、長年のゼロ金利時代の中で重体だった身体が、ようやくリハビリ出来るところまできたという認識に立てば、何年かかけて2%台に近づけていくことの方がいいのだろう。 確かに、国の財政赤字や中小企業の借り入れ残高、さらに住宅の個人ローンを考えると、マイナス面もある。 しかし、もともと金を銀行に預けて利息がほとんどないというゼロ金利政策は異常なことだ。企業も、冷たい言い方に聞こえるかもしれないが、2%前後の金利負担に耐えて利益を出してなければ健全とは言えない。 私は金融当局が、自民党や政府の圧力に屈せずにあるべき政策決定をすることを支持する。 本来の日本経済の力強い成長を、一日も早く取り戻すためにも、金利政策の正常化を急ぐべきだ。 ところで、関西テレビの「あるある大辞典」余波が続いている。こんどは、政府が放送法を改正して放送会社への管理を強めるという。 確かに、番組制作の70%近くを下請けの制作会社に請け負わせるなど、今日のテレビ界には構造的な問題が山積している。 視聴率が取れれば何でもやる。 昔ならいい脚本があって原作があって、これをドラマでやるからあの女優に頼もう、となったのが、今は逆で、まず人気女優やタレントを押さえて日程を取ってしまう。 その上で、その女優やタレントを生かせて、数字の取れる脚本を書かせてドラマを作っている。 つまり、番組の内容はあとの話になっている。 これは、本末転倒なのだ。 こんな体質の中で、番組は出来てくる。 特に私が、最近テレビ番組で気にしているのは、「健康」を売りものにしすぎていることだ。 国民の最大の関心事である健康に目をつけて、これに確たる根拠もないのに、大々的に番組をふくらませてやっているのが目立つ。 これはテレビだけではない。 健康に引っかけた本や、関連の商品はあまたある。 すべてが悪いとはいわないが、かなり怪しいものがあるのも事実だろう。 「あるある大辞典」はその代表格だ。 しかし、あえて言えば、これだけ問題があるとしても、私は放送に政府の介入を強める今回の法律改正には反対である。 テレビ側の自己改革と、政府の良識の上にこそ、言論や表現の自由は守られる。 「安住淳の国会日誌」(童牛社刊)定価 ¥1,900(税別) ※書店、インターネットでお求め下さい ★安住淳国会通信の登録・解除・アドレス変更はこちらまで メール g00017@shugiin.go.jp FAX 03ー3508ー3503 TEL 03−3508−7293 (2007.02.23) |
| 北海道根室市。 人口は約3万3千人ほどの街だ。 先日私のところに長谷川市長さん他、市議会の面々が陳情に来てくれた。 私が沖縄・北方の委員長だからである。 市長さんが言うには、今根室の最大の課題は公立病院の医師の確保だそうだ。 根室の公立病院には、現在医師が6人いる。 ところが、3月いっぱいでこのうちの3人の内科医が派遣元の旭川医大に帰ることになり、その補充の目途が立っていないという。 「委員長、私たちは本当に困っているんです。 私は何度も旭川医大に再考を求めてきましたが、大学側は大学病院の存続のためには道内各地から医師を引き揚げるしかないとの一点張りでした。 私どもの病院は、北方四島のロシア側の患者の受け入れも行っていますが、このままでは4月以降内科の医師がゼロで、病院が立ち行きません。」と、 長谷川市長は苦悩を述べられていた。 今、全国の過疎地では、根室と同様の深刻な医師不足の問題に直面している。 大学の医局制度が機能しなくなり、過疎地の病院への医師派遣の仕組みが無くなりつつあるからだ。 この問題は特に、小児科や産婦人科というもともと医師の少ない分野で顕著に出ている。三重県の尾鷲市では、去年産婦人科医一人を5千万円で契約をして公立病院に招いたという。 地元の市長の年収の6倍近い金でようやく一人の医師を確保したというから、深刻さがよくわかる。 日本はこれまで、地域間の格差を無くすために、交付金が過疎地に十分に行くように工夫をしてきた。 結果的には、日本中どこに住んでいても大都市の住民と変わらない程度の行政サービスが提供されるようになったはずだ。 ところが、これらのシステムが見事に崩れ始めた。 国民の福祉の「大もと」とも言える医療体制が、田舎では十分に手当て出来ない事例が表面化し始めてきた。 まさに格差社会とは、人だけでなく地域にも言えるいい例だ。 私は今週に入って、総務省などの担当者に来てもらって、全国公立の病院の現状や、医師不足の対策がどうなっているのか説明を聞いたが、状況はやはり厳しい。 とにかく抜本的改革を早くやらないと、田舎がダメになってしまう。 政治の責任は重い。 「安住淳の国会日誌」(童牛社刊)定価 ¥1,900(税別) ※書店、インターネットでお求め下さい ★安住淳国会通信の登録・解除・アドレス変更はこちらまで メール g00017@shugiin.go.jp FAX 03ー3508ー3503 TEL 03−3508−7293 (2007.02.16) |
| 愛知県と北九州市長の選挙は思った以上の勝果があった。 マスコミはこぞって柳沢発言の選挙への影響と指摘しているが、これはちょっと過大評価だ。 私は勝果の最大の要因は、民主党の側の「タマの良さ」であったと思う。 今は政党の権威で選挙のやれる時代ではない。 だから勝負の分かれ目は、どちらがより良い候補者を出せるかにかかっている。私は愛知の石田氏は現職の神田さんよりも明るく、犬山市長として実績を積んできていたことが、ラストスパートに生きたと思うし、北九州の北橋さんも、6期の衆議院議員としての実績は官僚よりも有権者を引きつけたと思う。 プロ野球もそうだが、政治の世界もいい人材に早く目をつけてスカウトすることが政党の消長を決める。 見方を変えれば、全国の各分野で活躍している人々とのネットワークをどちらが持っているかが重要だとも言える。 地方の首長選挙と言えば安易に中央の官僚を連れてこようとするのは、もう止めたほうがいいと思う。 選挙を変えれば政治も変わる。 ところで、国会もようやく動き出した。 本予算の質疑も始まる。それにしても政治は生き物だ。 先週までは予算委員会での主要なテーマは政治と金だと思っていたが、あっという間に主役の座を柳沢大臣に奪われてしまった。 マスコミも政治と金についてはほとんど記事にしなくなった。 本当にめまぐるしく扱うネタが変わる。「猫の目政治」とでも言うのだろうか。 今年の通常国会は、春の統一地方選による政治休戦と、7月の参議院選挙のために日程が厳しい。それなのに、何となく政府・与党からはまったく危機感が伝わってこない。 これはあらかじめ、提出した法案の数を抑えたためだけではない。 多分安倍内閣に対して守ってやろうとか、そんな気持ちがない表れなのだろう。 与党の関係者に個々に話しても、安倍氏の悪口を私以上に言う。 この、他人事のように引いた雰囲気は何だろうか。 安倍氏の人徳のなさか、それとも内閣人事への不満なのか。 とにかく、参議院選挙についてもどこかしらじらしい。 今日の新聞を見たら、自民党は議員を一人一人呼んで中川幹事長がハッパをかけているらしいから、やはり私と同じ認識なのだろう。 これは民主党にとってはグッドなことではあるのだが、どこか拍子抜けする気分である。 まあ、暖かい天気のせいなのか、それとも嵐の前の静けさというものなのだろうか。 どことなくしまりのない与党である。 「安住淳の国会日誌」(童牛社刊)定価 ¥1,900(税別) ※書店、インターネットでお求め下さい ★安住淳国会通信の登録・解除・アドレス変更はこちらまで メール g00017@shugiin.go.jp FAX 03ー3508ー3503 TEL 03−3508−7293 (2007.02.09) |
| 国会が本格化した。 代表質問初日から柳沢大臣の、「女性は子供を産む機械」という発言で大揺れとなる。 高市早苗大臣の話も面白い。 「それでは子供の出来ない私は不良品ということか」と返した。 柳沢大臣はその後ひたすら低姿勢で通しているが、在職していればいるほどに、内閣に傷がつく。 補正予算冒頭からの攻防は、いきなり大臣の首のかかった局面になった。 私はこの国会の日程を何とかやりくりして、北九州市の市長選挙や愛知県知事選挙に応援に行ってきた。 知事や政令市長の選挙での相乗り禁止をした選対委員長としては、何としても勝ってほしいと思っている。 柳沢発言や内閣支持率の低下は、多少なりとも二つの選挙にプラスになっていると思うが、日曜日までラストスパートで頑張ってもらいたい。 国会は不正常な状態で補正予算が衆議院を通る。 しかし、これから本番を迎える本予算の質疑を考えると、年度内成立をはかる上でも日程はそう楽ではないので、柳沢大臣の去就が早く決着がつかないと、政府の尻にも火がつくことになる。 それにしても、この内閣の不祥事の連続性はどういうことだろうか。 ある政治評論家がこう指摘していた。 「やはり小泉さんだから自民党は命脈を保つことが出来た。 もし小泉内閣がなかったら、今頃とっくに民主党政権だったろう。」と。 確かにそうかもしれない。 多分このだらけた安倍内閣に代わって他の内閣が出来ても、自民党の内閣では構造改革も無理だし、個々の政治家の不祥事も続発するに違いない。 つまり、それだけ小泉氏個人の力に自民党は助けられてこの5年間生きながらえたのではなかろうか。 それにしても残念なのは、その受け皿としての民主党にも国民の期待が集まっていないことだ。 私たちの大いなる反省点だ。だからこそ、この国会は民主党にとっても大勝負の国会だ。 国民に必要とされる政党になれるかどうか、この国会での成果が夏の選挙を左右することになる。 「安住淳の国会日誌」(童牛社刊)定価 ¥1,900(税別) ※書店、インターネットでお求め下さい ★安住淳国会通信の登録・解除・アドレス変更はこちらまで メール g00017@shugiin.go.jp FAX 03ー3508ー3503 TEL 03−3508−7293 (2007.02.02) |
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